ニペソツ山〜十六の沢コース2009 (2012.7m)
                                                                2009. 06.28  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2009年06月28日
                                     


【ひとくちメモ】

  前回の登山は2004年同じ6月の最終週,ちょうど5年ぶりのニペソツ山です。 その前に訪れたのもやはり6月の最終週でした。 この時期にこの山に登る理由が二つあります。
  一つは気象条件。 ニペソツ山は最初の岩場までは比較的木の多い森の中を歩きますが,途中からは日差しを遮る物がない登山道となり,暑い日には直射日光に晒されるので
  暑い夏は厳しい登山となります。 さらに頂上までの往復には休憩時間を入れると10時間近くかかり,日の長いこの時期なら夕暮れを気にせずに登れます。さらに,この時期には
  ほとんど残雪は無いので比較的安全に登ることが出来ます。
  二つめはツクモグサです。 花の開花時期としては少々時期を過ぎてしまいますが,ギリギリ6月の最終週までは何とか花を見ることが出来ます。 登山道周辺には限られだ場所
  でしか見ることが出来ません。

 
   
  写真提供 felさん <(_ _)>



 
 今年はなかなか週末の天気に恵まれませんでしたが,今週の天気予報は「晴れ時々曇り」の予報。まだニペソツ未登頂のFさんを誘ってしばらくぶりに東大雪に遠征です。 前日札幌を出発して大雪湖周辺でキャンプ,朝は少々霧が広がっていましたが十勝三又が近づく頃には青空が広がってきました。

 今回は,時間に余裕があるので景色を楽しみながらゆっくりと登ることにしました。

 さて,今日のメンバーは,レギュラーメンバーのFさん,Tさんと私の3名です。 

 
 
 

 登山口となる十六の沢ですが朝5時というのに既に数台の車が止まっています。 用意を調え,少々渡りにくい丸太の橋を渡って出発します。 渡って直ぐ急登となり,見通しの利かない樹林帯を黙々と登ります。 台風の影響か登山道を塞ぐ倒木が何カ所かありました。


 

  登山口から一時間半でようやく尾根に出で残雪が美しい前天狗がようやく見えてきました。 ここから少し傾斜が緩くなり,急登で疲れた体にはホッとする時間ですがまもなく急な登りが始まります。





  細い急な登りを登り切ると最初の核心部分となる小天狗の岩場に突き当たります。 以前は何も表示が無かったのですが,現在は「足場注意」の看板が取り付けられています。 この岩場は真っ直ぐ岩を乗り越える方法と,僅かな足がかりを頼りに岩の左側に回り込む方法がありますが,私は迷わず乗り越える道を選択しました。





  岩場から残雪の残る笹の斜面を下り,通称「天狗のコル」と呼ばれるキャンプ指定地を通過して前天狗へと続く緩やかな登りを登って行きます。 やがて展望の良い岩れきの広がる斜面へと到着します。 ウペペサンケ山や遠くの白雲岳,旭岳を眺めながら大休止を取りました。




  行動食でエネルギーを補充し,前天狗への岩れき帯を進んでいきます。 至る所からナキウサギの警戒音が聞こえていますが残念ながら今回は姿を見ることは出来ませんでした。やがて前天狗への最後の登りとなります。 ニペソツ山はこの前天狗まで登ってこなければ写真集になどに載っている雄大ニペソツ山の姿を見ることは出来ません。 空は晴れていても前天狗の先に聳えるその姿を見ることが出来るか否かは「運と日頃の行い次第」です。



 

 期待と不安を抱えながら前天狗の山頂への道を登りきると何度見ても感動する素晴らしいニペソツ山が悠然とその姿を見せてくれていました。 この景色を見たらもうこの登山の目的は半分達成したようなものです。



 

  ゆっくりとニペソツ山の雄大な姿を堪能し,小休止の後山頂を目指します。 尾根からはこれから登る登山道の全貌が見渡せます。 今は慣れてしまいましたが最初に来た時はこの道を辿って山頂まで行けるか不安に思ったものでした。




 途中で今回の登山の目的の一つとなっていたツクモグサを見つけることが出来ました。 登山道からあまり離れてはいないのですが意外と気付かず通過してしまう方が多いようです。気が付きにくい所に生えていればこそ,今まで盗掘もされずに残ったのかもしれません。 今年のお花はこれまでで一番良い状態でした。
 その後何度かアップダウンを無繰り返す険しい道を登りきると下からも見えていた北斜面の急なトラバース地点となります。 この岩れき帯でもナキウサギが盛んに警戒音を出して通り過ぎる登山者を歓迎してくれます。







  北斜面のトラバースを終え左に大きく回り込むと山頂へと続く細いトラバースの道が見えてきます。 山頂には既に先行している登山者が見えています。 この斜面,結構下まで切れ込んでいるので足を踏み外さないよう注意が必要です。







 ようやく山頂到着です。 少し霞んではいるものの展望もある程度利いていて残雪が残る大雪や十勝方面の山々がよく見えています。 記念写真の撮影後昼食を摂り下から団体さんが到着するのと入れ替わりに下山を開始します。 次はいつ山頂を踏めるかわからないので山頂からの雄大な景色を目に焼き付けながら下山します。






  慎重に尾根沿いの細く険しい登山道をアップダウンを繰り返しながら下山します。 やがて前天狗へと続く岩れき帯が広がる最後の急な登り返しに到着します。 この距離,行動時間で急な登り返しは体に応えます。 喘ぎながら重くなった体に鞭を入れてやっと前天狗に到着です。





  前天狗から長い長い登山道を引き返します。 今日は休日にもかかわらず比較的登山者が少なく,天狗のコルでの宿泊者を除いてすれ違う登山者とも殆ど会わず黙々と登山口を目指します。 やがて微かに沢を流れる水の音が聞こえはじめ沢の音が大きくなってようやく登山口に近づいて来ました。
 やがてようやく登山口に到着です。 沢の流れで登山靴を洗い,丸木橋を渡って長い山行に終止符を打ちました。

Fさん,Tさん長丁場の登山でしたがおかげさまで楽しい登山となりました。


 

六の沢からのGPSログトラック




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