黒岳〜赤岳縦走 黒岳ロープウェイ利用コース  

                                               2005. 09.25  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2005年09月25日
 
ロープウェイ駅 06:13  黒岳山頂 07:25  黒岳石室着 07:43 黒岳石室発 08:05 北海岳山頂 09:25
  白雲岳分岐  10:25 赤岳山頂着 10:55  赤岳山頂発 11:55   駒草平 12:25  銀泉台 14:03
  
歩行距離 14.2キロ 所用時間(含む休憩) 7時間50分 実際の移動に要した時間 5時間04分 
(GPS測定値)



  
 今まで、渋滞と人の多さを嫌って敬遠していた紅葉時期の大雪ですが、いつまでも敬遠していては素晴らしい景観は堪能できないということで、一念発起して出かけました。 幸い天気予報は「全道的に大陸から延びる高気圧に覆われ」ということで、好天が期待できそうです。



 早朝、層雲峡黒岳ロープーウエイ駅に到着します。 予め調べたところでは、今日は「特別運行」ということで、早朝5時30分に始発のロープーウエイが運行されるということです。 駐車場にはまで数台の乗用車が駐車しているだけです。 早速身支度して改札口に並びましたが、「特別運行」はあまり知られていないらしく、第一便には30人程の乗客しかいませんでした。 リフトを乗り継いで到着した7合目は流石に寒く、5度程の気温しかありませんでした。 リフトの途中から見えている黒岳の壁は既に紅葉が素晴らしい色を見せてくれています。 
 



 早朝の比較的静かな登山道をゆっくり登っていきます。 最近この登山道を25分で山頂まで登った若い女性がいるという話を聞きましたが、今回は1時間前後で黒岳到着の予定です。 そう言えば今から25年程前には私も30分程度で山頂に到着したような微かな記憶が...............あのころは若かった (^^ゞ  「まねき岩」周辺は期待とおりの素晴らしい紅葉です。 登山道は表面が凍っていて、注意しながらの登りとなります。 所々都会では見掛けなくなった綺麗な「霜柱の花」が咲いています。


 

  黒岳山頂からは、360度の素晴らしい天望が開けていました。 10人程の登山者が既に到着していて、素晴らしい紅葉のパノラマをカメラに納めようと盛んにシャッターを切っています。山頂でしばらく錦のパノラマを楽しんだ後、黒岳石室を目指します。 石室でバイオトイレを拝借し、一休みします。 去年より若干臭いが改善されたようで、上手く稼働しているようです。 休息していると、石室周辺の灌木の下に沢山ゴミが散乱しているのが目に付きました。 心ない登山者はやはり後を絶たないようです。
 



 石室のゴミに憤慨しながら、北海岳を目指して、緩やかな斜面を川を目指して下って行きます。 ツツジは、先日の雪の影響で赤い葉が既に焼けて変色していましたが、ハイマツの緑とのコントラストを楽しむことが出来ました。 川までの登山口は、以前訪れたときには水の流れで深い「溝」のようになっていたのですが、今回訪れたときには綺麗に整備されていました。 流石大雪の「銀座」だけのことはあります。




 やがて、川に到着です。 以前は簡単な木の橋が出来ていましたが、今回は石を網で固めたものが設置してあり、結構な水量でしたが簡単に徒渉することが出来ました。前回は川から水蒸気が上がっていたような気がしますが、今回は水温も低く独特の硫黄の臭いも前回ほど強くありませんでした。 多分、少し火山活動が弱まったのでしょう




 やがて、北海岳山頂に至る登りに入ります。 前回の冬は、雪が多かったため、谷の出口にはまだ大きな雪渓が残っています。 多分今年は全部解けきれずに冬を迎えるため、万年雪となることでしょう。 勾配は徐々にきつくなり、高度をどんどん稼いでいきます。 振り返ると今朝通ってきた黒岳や凌雲岳が紅葉に映えています。 稜線へと出る直前は岩が多いガレ場となりますが、以前はもっと岩の状態がワイルドで、苦労しながら通過した記憶があったのですが、今回は全く苦労せず通過することが出来ました。 




 稜線に出で、細かい火山灰の勾配を登り詰めると北海岳山頂へ到着です。 標識の裏には昨年訪れた北海道第2の標高を誇る北鎮岳がど〜んとそびえています。 少し視線をずらすとトムラウシ山もクッキリと見えています。 トムラウシ山の山裾も綺麗な紅葉で埋め尽くされていました。 秋のトムラウシも訪れてみたい所ですが、日が短くなるためトムラウシ温泉からの日帰りは厳しいかもしれません。




 北海岳から白雲分岐へと至る道は幸い視界も良く、風も穏やかで、ピクニック気分で分岐へと道を急ぎます。 今日は最高の条件ですが、視界が悪いときや、風が強いときは慎重に通過する必要がありそうです。 時々ナキウサギの「ピピッ」という警戒音が登山度に響き渡り、必死に鳴き声の方向に目を凝らしますが、なかなか姿を見せてくれません。 ゆっくりとした下りが続いた登山道ですが、分岐の稜線に向かって徐々に登りへと変わっていきます。 急な登りを登り切ると、目の前に分岐の標識が飛び込んできます。 ここまで来ると流石大雪山の「銀座」だけあって、一気に登山者の数が増えます。




 大雪らしい広々とした台地の上を赤岳山頂を目指し、沢山の登山者とすれ違いながら進みます。 今日は紅葉のピークというだけあって、高原温泉から緑岳、そして赤岳を経由して銀泉台へ降りる登山者が多いようです。 やがて、沢山の登山者で溢れる赤岳山頂に到着です。 ここでゆっくりと360度のパノラマを見ながら昼食です。 昼食後くつろいでいると、昨年春に隈根尻岳に御一緒した札幌のTさんとバッタリ鉢合わせです。 やはり高原温泉から銀泉台へ降りられるとのこと。 Tさんと話し込んでいると何か周りが騒がしくなっていて、聞くと「クマ」が見えるとのこと。 場所を教えて頂くと確かに遙か遠くですが、確かにクマが移動していく様子がはっきりと見えています。 五色岳(赤岳横)山頂へ至る急な稜線をかなりのスピードで烏帽子岳方向へ移動していきます。 大雪山では、クマの痕跡を見ることはありましたが、実際に姿を見るのは初めての経験です。 今回は距離が離れていたので余裕で観察することが出来ましたが、近くでは見たくないものです。
 クマの余韻?!が残る山頂を後に、下山を開始します。




 今回は、層雲峡に車を置いて、銀泉台から層雲峡へは紅葉のシーズンだけ運行しているシャトルバスを利用する予定です。 銀泉台発層雲峡行きのバスは、午後3時と4時の2本で混雑が予想されるため、ついつい下山する足が速まります。 しかし、第四雪渓上から下を眺めると素晴らしい紅葉が広がっていて、急ぐ足もパッタリと止まってしまいました。 この時期何度か訪れていますが、こんな素晴らしい紅葉は初めてです。 今日は天気も良く紅葉に日差しが当たっているため、鮮やかさが引き立っているようです。




 写真を撮りまくりながら、素晴らしい「錦」の世界を堪能しながら、銀泉台を目指して降りていきます。 コマクサ平らを過ぎると登山者なのか観光客なのか判別できないような人が増えてきます。 途中ですれ違った40名程の団体は九州から来たとのことで、九州なら2ヶ月以上先となる紅葉を堪能している様子でした。 登山者の渋滞も計算に入れ、2時間30分程度と計算していた銀泉台までの所要時間ですが、意外と順調で午後2時過ぎには無事銀泉台に到着。 絶好の好天に恵まれて大雪の紅葉を堪能することが出来て素晴らしい秋の休日となりました。

 帰りのバスは、凄い混雑でしたが、早く銀泉台に到着していたおかげで、ゆっくり座ることが出来ました。 


旭岳〜裾合平縦走路へのアプローチGPSトラック





   山の目次へ