旭岳〜中岳温泉〜裾合平再訪 旭岳ロープウェイ利用コース  
以前(2001年)の山行記はこちら
                                               2005. 07.03  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2005年07月03日
 
ロープウェイ駅 06:20  ニセ金庫岩 08:27  旭岳山頂  08:48 間宮岳 10:13 中岳分岐 11:00
中岳温泉 11:55 裾合分岐 13:36 ロープウェイ駅 14:50
  
歩行距離 12.8キロ 所用時間(含む休憩) 8時間30分 実際の移動に要した時間 5時間52分 



  
 今回の山行は、今シーズン初めて訪れる大雪エリアです。 どうせ大雪へ行くならばと大雪の最高峰「旭岳」から間宮岳〜中岳をぐるっと回る贅沢な縦走路を巡ることとなりました。 メンバーは、いつものレギュラーメンバーのMarikkaさん、あかねさん、そしてフェルさんです。 前日は東川町の公園の駐車場に車中泊。
 天気予報によると、明日は青空も期待出来そうです。




 朝駐車場で目覚めると、どんよりとした曇り空ですが、雲は高いところにあり、日が昇ると天気が回復してきそうです。 青空を期待して一路旭岳ロープウェイ駅を目指します。 日が昇るに従ってお天気は回復し、ロープウェイ駅に付く頃には青空が広がり始めました。 なんとか登山客で満員の6時の始発に乗り込み、姿見駅までの展望を楽しみます。 今日は低いところに雲海が広がっていますが、雲の上は晴天が広がり、富良野岳、十勝岳、オプタテ、トムラウシ、遠くは石狩岳までの大展望が広がっていました。 雲海の上に広がる大パノラマに乗客から思わず「ため息」が漏れます。
 山頂駅でトイレを済ませ、6時20分スタートで山頂を目指します。 
 



 今年は雪が多く姿見駅周辺には、沢山の雪が残っています。 白い雪と激しく吹き上げる水蒸気が、逆光に輝く旭岳をバックに美しい姿を見せています。 雪が解けた岩肌にはキバナシャクナゲが咲き乱れており、思わず足が止まってしまいます。 今日はゆっくりと初夏の大雪を楽しむ予定なので、写真を撮りながらゆっくりと進んで行きます。
 途中の展望台には、最近無酸素でエベレスト登頂を果たした、Kさんが添乗員となっているツアーの団体が休憩をとっていました。


写真提供 marikkaさん
 

  山頂への登山道は、綺麗に道が整備されており、以前訪れた時のように岩のペンキを目印にする必要が無いほどでした。 以前はもう少しワイルドな登山道だったような気がしていたのですが、今回はさほど緊張もせず、眼下に広がる雄大なパノラマをゆっくりと楽しみながらの登山となりました。 流石「百名山」だけあって、訪れる人が多いせいかと思いますが、やはりオーバーユース気味か?!と少々気になりました。
 通常2時間で着くはずの山頂ですが、今日はゆっくりしすぎて2時間30分で北海道で一番高い山頂に到着です。 既に同じロープウエイの乗り込んでいた人は殆ど山頂に到着しており、山頂は大賑わいとなっていました。 




 山頂の人混みを嫌い、早々に裏旭、間宮岳方向へ向かいます。 山頂付近にはイワウメの群生が密集して花を咲かせていました。 これだけ密度の高い「お花の塊」は、あまり見かけません。 思わず登山道のロースから身を乗り出して撮影モードに入ります。 裏旭岳野営場へと向かう急斜面は、当初全体が雪で覆われて、危険か?!と心配していましたが、予想より雪が少なく、全体の半分程度しか雪が残っていませんでした。 距離といい、傾斜といい、この絶好の雪の斜面、「尻滑りマニア」見逃すはずも無く、同行者2人はおもむろにザックの中からとりだした尻滑り専用のソリを取り出し、一気に滑り降りて行きます。 こういう時は、いつでも子供に戻ってしまいます。 




 しり滑りで濡れたお尻を気にしつつ、熊ガ岳へと続く登りを景色を堪能しながら登っていきます。 登山道の両側に広がる「風緩地」には、浮島のように植物の群落が続き、島の上には多彩な高山植物がお花を付けています。 綺麗なお花を発見するたびにしばしの撮影タイムとなり、なかなか前に進みません。 先を急ぐ山行ではないので、これも今日の趣旨に合っているということで、気にせずのんびりと進んでいきます。 やがて、平坦な尾根へと到着し、先には北海岳方面と間宮岳方面に分かれる分岐の標識が見えて来ました。




 間宮岳〜北海岳分岐にさしかかる頃から、下界から雲が沸き上がってくるようになり、青空は見えているものの、しばし雲で視界が遮られるという状態となりました。 1年ぶりの「お鉢」の稜線歩きを楽しみつつ、時折現れる雲の切れ間越しに、北鎮岳、綾雲岳、黒岳、烏帽子岳、北海岳の表大雪を代表する嶺々の素晴らしい姿を楽しみます。 美しい嶺々を眺めていると、あっという間に、中岳分岐に到着です。 分岐はもう一つ先の北鎮岳よりの稜線を登り切ったコルだと思っていたのですが、勘違いだったようです。
 中岳分岐より中岳温泉を目指して下っていきます。 中岳への稜線は、雨によるとみられる斜面の崩落が進んでいるようで、このまま崩落が進めば、登山道も押し流されてしまいそうです。 ハイマツのトンネルをくぐると、中岳温泉への急な下りとなります。 当初計画段階の情報では、この下りも雪が多くて危険との情報があり、心配していましたが、既に雪は殆ど消えており、安全に降りることが出来ました。




 中岳温泉には、最近新たに作られたと見られる立派な「湯船」が出来ていました。 人目を気にしなければ、大人数人は入浴できそうです。 川の流れに沿って水を取り入れる仕掛けも出来ており、なかなか快適そうでしたが、流石に全身入浴の自信?!があるメンバーはおらず、疲れた足をしばし温泉に浸し、疲れを癒しました。 温泉を楽しみながらゆっくりと昼食タイムです。 後から到着したグループも温泉に足を入れてくつろいでいます。
 ゆっくりと昼食を楽しんだ後、ロープウェイ姿見駅を目指して出発です。 中岳温泉から先は、通常であればチングルマ等の群生が楽しめる高山植物の宝庫なのですが、今年は雪が多く、一面の雪の平原が広がっています。 雪があるおかげで、普通であれば何度も登り降りを強いられる沢も雪で埋まっており、いつもよりかなり楽にロープウェイ姿見駅まで到着することが出来ました。

後半の裾合平のお花畑は見ることが出来ませんでしたが、雄大な大雪を改めて堪能する事が出来ました。



途中で出会ったお花達


 つかの間の青空をバックに春の緑の奥に白く輝く日高の山々。

旭岳〜裾合平縦走路へのアプローチGPSトラック





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