大麓山〜東大演習林コース 1459.5メートル
                                                                2004.9.20  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2004年09月20日
林道出発点 09:55  登山道入口 10:29 山頂 11:15  
   『登り 1時間20分』
山頂 12:20  登山道入口 12:53 林道終点 13:25 
   『下り 1時間05分』
【ひとくちメモ】
  大麓山は、東京大学附属北海道演習林の敷地内にあり、普段は立ち入りが出来ません。年に何度か大学開放事業として開催される登山会等の
機会を捉えて登るしかありません。 詳しくは東大演習林のHPを見て情報を収集しましょう。
  事前に許可を得れば、徒歩での登山は許可しているようですが、片道13キロの林道歩きは現実的ではありません。 冬にはスキーで山頂を目指す
人が多いようです。


 
近所のYoshioさんからお誘いを受け、普段は登ることが出来ない富良野の「大麓山」へネット仲間のMさんとNさんと御一緒に登ってきました。大麓山は、東京大学の演習林にあり、その名前は、当時の東大総長の菊池大麓さんの名前を取って名付けられたとのことです。 ちなみにテレビドラマ「北の国から」で有名になった「麓郷」という地名は、大麓山の麓に広がる「郷」ということで「麓郷」と名付けられたとのことです。



 今回は、東京大学附属北海道演習林の大学開放行事の一環として開催された大麓山登山会に参加しました。 例年7月下旬の海の日と秋に開催されているようです。大麓山(1459.5m)は大雪山系十勝岳連峰の最も古い火山で同山系の最南西端に位置し、頂上からは富良野岳、十勝岳、下ホロカメットク山、東大雪の樹海が眺望できる十勝岳連山の展望台のようなポジションとなっています。
 大麓山全体が東京大学演習林の敷地となっているため、普段登山口に通じる林道は施錠されており、一般の車は通行出来ません。 演習林の中には全体で林道が970キロも張り巡らされており、一度迷うと出て来ることが出来ない等の理由から、登山目的での車の進入は認めていなので、この開放事業が大麓山に登ることが出来る唯一のチャンスのようです。
 林道のゲートから登山口まで片道13キロとなって、歩いて登山口まで行くことが出来ますが、往復30キロ近い距離の往復は史実上不可能と思われます。 冬期間には山スキーで頂上を目指す登山者もいるようです。
麓郷の森林資料館から演習林のマイクロバスで標高1000m地点まで移動した後、林道を約2km、登山道(歩道)を約1km歩き、頂上を目指します。 バスの終点から登山口への林道は整備が良く行き届いていて、快調な登りとなります。 登山道の右上には目指す頂上も見えています。



林道を約50分登るとようやく林道に別れを告げ、大麓山への本格的な登山道の入り口となります。 道ばたの笹藪の中に登山口を示す標識が立っています。
登山道は、深い森の中を縫うように続いており、傾斜も比較的緩やかです。 一般に開放していないとのことですが、東大の学生が実習に訪れた際には大麓山に登る事が多いそうで、よく整備された立派な登山道が山頂まで続いていました。 水はけも良いと思われ、ぬかるんでいるところも全くありませんでした。

 

 頂上が近づくと、原始ケ原の上にそびえ立つ富良野岳が見えてきます。 山頂手前で少し登山道の傾斜がきつくなりますが、それほど長い距離ではありません。 植生がハイマツに変わるとまもなく山頂です。
 山頂はとても広く平坦で、大人数でもゆったりと寛ぐことが出来そうです
 


 山頂からの展望は、西方向には富良野西岳から布部山を経由して芦別岳、夕張岳に至る山塊が、北方向には下ホロカメットク山、境岳、上ホロカメットク山、三峯山、十勝岳、富良野岳、前富良野岳の山塊が、南には日高連坊の山々が、遠くにはニペソツ山、ウペペサンケ山、雌阿寒岳、雄阿寒岳の姿が見えています。
 まさに、「北海道の山の展望台」という名前がぴったりです。



 演習林長さんの説明によると、大麓山は、大雪山系と日高山系の丁度境界付近にあり、海から隆起して北上してきた日高山脈と、火山の噴火によって形成された大雪山連峰の両方が同時に楽しめるポイントだそうです。
 山頂で1時間程昼食を摂りながら休憩し、下山を開始しました。 
 バスに戻ってから、途中の要所要所でバスを停め、演習林長さんや職員の方から、70年の間、伐採の入っていない保存林を見学し、「トドマツ、エゾマツ、アカエゾマツの見分け方」や「エゾマツの倒木更新の実際の様子」などについて詳しい説明を受けました。

 今回の登山は、普段登ることが出来ない大麓山に登ることが出来ただけではなく、研究者や職員方から森林や周辺の自然の様子を詳しく説明頂き、非常に有意義な登山となりました。


 

右から、下ホロカメットク山〜前富良野岳へ至る大パノラマ写真です。(写真6枚を合成)
右端の下ホロカメットク山山頂の右奥にはウペペ、左奥にはニペソツが見えています。


大麓山へのアプローチGPSトラック





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