富良野岳〜三峰山〜上富良野岳
                         〜上ホロカメトック山縦走

富良野岳(1912メートル) 三峰山(1866) 上富良野岳(1893) 上ホロカメトック山(1920メートル) 
      2001. 8. 5 

十勝岳温泉登山口 5:20
上ホロ分岐 6:05
富良野岳肩分岐 7:15
富良野岳山頂着 7:45
富良野岳山頂発 8:00
富良野岳肩分岐 8:17
三峰山山頂 9:15
上富良野岳山頂 9:45
上ホロカメトック山山頂到着10:15
上ホロカメトック山山頂出発10:45
上富良野岳山頂11:00
上ホロ分岐11:40
十勝岳温泉登山口11:50
 今年の夏の登山計画第1段として、最終的に愛山渓から永山岳周辺を縦走か、富良野岳から上ホロカメットク山縦走をするかの2つの案に絞り込み、さんざん迷ったあげく、最終的にHYMLのHasegさんの「富良野岳の方か楽だよ」という悪魔?!の囁きに負けて、富良野岳から上ホロカメットク山を縦走することとする。
 前日夕方に札幌を出発し、午後10時前に吹上温泉白銀荘前の駐車場に到着する。 こんな暗くなってから白銀荘に来たことが無いので、うっかり白銀荘前を通過してしまい、慌てて引き返し、ようやくたどり着いた。 白銀荘への入り口の看板はあるのだが、道沿いに照明が全くないため注意しなければ見落としてしまう。 白銀荘キャンプ場には、ほとんど隙間が無い程テントが立ち並んでいて、駐車場もほぼ一杯の人出となっていた。 駐車場の隅に快適そうな場所を見つけ車中泊することとする。 運転の疲れもあり、缶ビール一本ですぐ睡魔に襲われ熟睡することが出来た。  夜明け前、寒さで目覚める。 真夏とはいえ、流石この標高では朝晩の冷え込みはかなりのものである。 素早く朝食を済ませて、十勝岳温泉凌雲閣横の登山口に車を走らせる。  登山口駐車場には、既に10台程の車が止まっていて、既にほとんどの人が山へと出かけたらしい。  駐車場の隅には直接アスファルトの舗装の上に寝袋にくるまって寝ているライダーがいて驚く。

 登山口で入山届けに記入していよいよ富良野岳へ向かう。 登山口から安政火口のそばまでは観光客が散策するための広い整備された道をすすむ。 安政火口に近づいた周辺で急に道が不鮮明となるが、谷の対岸に渡ると、再びはっきりとした踏み跡となる。 ここからは、緩やかな長い登りが続き、上ホロ分岐までは特段危険な箇所もなく、ゆっくりとした楽な登りとなる。上ホロ分岐は、直進すると富良野岳稜線分岐、左折すれば上ホロカメットク山へと続く長い朽ちた階段が待ち受けている。 分岐付近には大きな岩があり、岩の上からロープが下がっているがすぐ脇に迂回路があり、ロープを使わなくても楽に登ることが出来る。  上ホロ分岐を過ぎると徐々に登山道の傾斜が増して来て、遙か眼下に火災で全焼後再建されたカミホロ荘と登山口脇の凌雲閣が見えてくる。 途中三峰山からの2カ所の沢を渡るが、水量は多くなく、登山靴を濡らすことはなかった。 夏山ガイドによると、最初の沢の水は火山性の物質が含まれており、苦いらしいがさすがにエキノコックスが怖く味見をする勇気はなかった。  登山道をすすむと、道の両側には高山植物の種類が徐々に増して、お花畑が広がり、前方に切り立った美しい富良野岳の姿が近づい来る。 最後に金属製のパイプで組まれた「梯子場もどき?」の箇所もある短い急斜面を経て富良野岳肩分岐へと到着する。  肩分岐へ出る前に追い越した御夫婦に、「この道は十勝岳へ行く道ですよね?」という質問を受けて思わず?! どうやら地図も持たず、事前にガイドブックなどでルートも調べてもいないらしい。 半ばあきれながら簡単にルートの説明をする。  十勝岳から望岳台に降りる予定のようだが、望岳台から車を置いてある十勝岳温泉登山口までの「足」の心配もしていない様子。 
  富良野岳肩分岐は、平坦なガレ場で、三峰山へ向かう道と富良野岳へ向かう道に分かれている。 富良野岳へ行く道は急な登り坂のガレ場となっており、杭と板で階段のようなステップが切ってあるので、思ったより登りやすい。 この後は、稜線沿いの登山道を通り富良野岳への一本道となる。 稜線の遙か左下には鬱蒼とした原始林と笹原が広がっている「熊の巣」原始ヶ原が見えている。  稜線の途中に岩が突き出している部分があり、両側がかなり切れ込んで落ち込んでいるため、「高所恐怖症クラブ会員」にとっては、けっこう嫌な通過地点が一カ所ある。  富良野岳山頂が見え始める頃から稜線はかなり細くなり、両側が切れ込んでゾクゾクし始めるが、登山道はよく整備されており、割合平坦で、見た目に感じるほどは危険は少ないように感じた。  山頂はけっこう狭いが、十人程度が休憩するには充分な広さで、原始ヶ原から登ってきたという精悍な青年と、中年の男性の2人の先客有り。 
  頂上で、15分ほど休憩し、水分と行動食を取った後、三峰山を目指して出発。  山頂から少し降りた処で、HPでリンクを結んでいる「Kさん」と遭遇する。 同じ日に偶然富良野岳を目指している事が分かり、事前に何処かでお会いしましょうと言うことで、目印の確認をしていたので、全くの初対面だったもののお互いすぐに気が付き、挨拶と堅い握手を交わす。  話を伺うと、私より40分も遅く登山口を出発してきたとのこと。  うぅ〜んなんという早さであろうと驚くばかりである。  「私は、足が遅いので、すぐに追いつくと思うので、先に行きま〜す!」と、Kさんとの再会を約束して、別れる。  細い稜線に咲き乱れる花達をカメラで撮影しながら、ゆっくりと下る。 どうやら、花の最盛期は一週間前だったようだが、それでもかなりの量の高山植物が咲き乱れている。
  やがて、富良野岳肩分岐に到着し、更に先に見えている三峰山を目指してすすむ。 肩分岐からの登山道は、最初の若干の緩い下り坂を経て、やがてハイマツ帯の緩い登りとなる。ハイマツ帯を過ぎると、大きな岩が積み重なった岩綾の上を通過するが、かなり岩が大きいため、短い区間だが、ここの通過も少し「ゾクゾク」してしまう。  さらに進むと、登山道に岩が散乱している、細い稜線となっており、最初のピークへの登りは、なかなかの迫力である。  最初のピークの手前で、先ほど別れたKさんが追い付き、しばらく会話を交わしながら、細い稜線を歩くが、健脚のKさんの早さには付いていくことが出来ず、先に行ってもらうこととする。 最初のピーク手前のガレ場は踏み跡がはっきりしないが、最初のピーク裏が登山道なので、視界が悪い場合は間違えないように注意が必要である。  次のピークもなかなかの高さであるが、以外とあっけなく登ることが出来、狭い山頂には「三峰山」の看板が立っている。  三番目のピークを越えると、この付近では一番新しい「上富良野岳」の山頂にあっけなく到着する。
  上富良野岳でKさんとHYML(北海道の山メーリングリスト)の話をしていると、富良野岳から我々の後を追うようにしてやってきて、すぐ隣で休んでいた若い男性が、「実は〜っ、私もHYMLのメンバーの帯広のとしです」との自己紹介有り。  全く偶然とは言え、HYMLのメンバーとこんな所で遭遇するとは奇遇である。 三人で休憩しながら、しばし山談義に花が咲く。  この頃から、下から上がってきた雲が稜線を隠すようになり、視界が悪化しないうちに上ホロカメトック山山頂に向かうこととする。  上富良野岳から見えている上ホロカメトック山山頂は、完全に山頂がオーバーハング状態となっており、大きな地震でも来たなら、山頂の標識からスッパリと落ち込みそうな状態となっている。 上富良野岳から若干下り、最終目的地となる、上ホロカメトック山山頂に到着する。  三人で思い思いの昼食と、カントリーマンさん持参の山頂ビールで、目的地への到着を祝う。 山頂で30分ほど休憩の後、上富良野岳まで戻り、山頂脇の上ホロカ分岐までの急な下り坂を下山する。  途中かなり痩せ尾根で、高所恐怖症クラブ会員には「目の毒」状態の切り立った崖を避けながら下る。  途中から急な斜面に設置された階段が続く登山道となるが、階段は崩壊が進んでおり、しかも、階段の枕木から長い釘が゜飛びだしているため、足を引っかけ無いように注意が必要となろう。
三人でこんな所の登りなら、辛いね〜などと話しながら、ゆっくりと下山。
下山後、三人で凌雲閣(入浴料700円)で汗を流して、帰宅。  カントリーマンさんと、今度また何処かでご一緒しまそうと、堅く握手を交わして解散する。



途中で出合ったお花たち

                         


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