風不死岳  1102.5メートル
                                                                2003.10.19  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2003年10月19日
7合目ヒュッテ 08:25  樽前山分岐 09:07   登山口 09:30   山頂 10:55
   『登り 2時間30分』
山頂 12:00  登山口 13:00  樽前山分岐 13:30 7合目ヒュッテ  14:00
   『下り 2時間』
【ひとくちメモ】
 ガイドブックに載っているように、途中に鎖場がありますが、現在は横に巻き道が出来ています。 梯子場は現在ありません。 
  ただ、巻き道も結構ワイルドで高低差があるので、十分な注意が必要です。 7合目ヒュッテ前の駐車場は、週末は樽前山に
 登る人と競合するので大混雑となります。  遅い時間に到着すると、林道脇の駐車となります。


風不死岳の地図とGPSデータはこちらから
 雪を避けて、季節が冬に近づくにつれて南下する登山計画ですが、今回は案外と登っている人が少ない、支笏湖畔の風不死岳へ行くこととなりました。 今回の同行者は、いつものKさん、Sakuraさん、先日羊蹄山に同行したマリッカさん、そして熊本県からはるばる北海道に移住された、さえさん、そしてマリッカさんの愛犬、「ゲン」という豪華なメンバーです。
 
登山口の入り口は、樽前山7合目ヒュッテの前にあります。 ここは、「登山口の入り口」で、本当の登山口は樽前山の山腹をトラバースするように約1時間歩いた先にあります。 実質的には7合目ヒュッテ前が「登山口」と言って良いのですが、先にあまりにもはっきりとした「登山口」があるために、あえて「登山口入り口」と呼んでいるようです。

 登山口入り口からは、ススキが生えた緩やかな丘陵地帯を進ます。 やがて、目の前に素晴らしい支笏湖の湖面が飛び込んできます。 今日は、不安定な天候ながら、青空が所々に顔を出していて、まずまずの天気となりました。 今が見頃となった紅葉が青空と蒼い支笏湖の湖面に映えています。ナナカマド等の落葉樹の「赤」とカエデ等の「黄金色」そして、常緑針葉樹の「緑」、そしてダケカンバの「白」が芸術的なコントラストを描いています。
 
やがて、登山道はガレ場が多くなり、歩きにくい火山灰の道となります。 このころから登山道の傾斜が増してきますが、まだ大した傾斜ではないので、楽々と登って行くことが出来ます。  この場所は、春には高山植物の宝庫となるそうで、登山道の脇にはビロードのような手触りの良い苔や、シラタマの白い実が沢山ありました。 この時期になっても盗掘が多いらしく、この日も盗掘のパトロールの方が見回りをされていました。
 
ようやく、本当の「登山口」に到着です。 味のある看板が迎えてくれます。 登山口からしばらくは、葉のすっかり落ちた広葉樹林帯を進みます。 最初のうちは緩やかな丘陵地帯ののようですが、次第に大きな岩が多くなり、やがてこのコースの核心部となる「ロープ場」「鎖場」となります。 以前は「梯子場」もあったようですが、現在は取り外されたようです。 現在は「鎖場」も上部の以前使用していたコースに一部残っているだけで、脇に巻き道が出来ているので私のような高所恐怖症の人間でも「比較的」安心に通過出来ます。 ただ、この巻き道もかなりの傾斜があり、足を滑らせると大怪我をする可能性もあるので充分注意が必要です。
 
 核心部を過ぎると、登山道の傾斜がやや緩くなって、稜線上にいくつかのピークが見えてきます。 ニセピークがいくつかありますが、本当の山頂は最後のピークにあるので、いくつかの小山を上り下りして登山口から約2時間30分でようやく山頂到着です。 山頂に近づくにつれて、西の方向から黒い雲が迫って来ています。 黒い雲からは地上に無数の黒い糸が延びていて、雲の下では雨が降っているようです。 雲が近づくにつれて、山頂では雨ではなく「雪」が降り始めました。 今年初めて遭遇する雪です。
 
山頂で、同行したさえさんの北海道での最初の登山を祝って、みんなでビールで乾杯をし、各自下界の素晴らしい紅葉と、支笏湖の蒼い水面を眺めながらゆっくりと昼食です。 同行の「ゲン」くんは、他の登山者のお弁当の臭いが気になるようです。 昼食を取っていると、数年前地元の山岳会の方が新たに開拓したと聞いていた「北尾根」コースから40人近い団体さんが到着する。 登別の山岳会が主催する登山会とのことで、一気に山頂が人で溢れかえってしまった。 この北尾根コースは、登山口から2時間少々で山頂まで到着出来るとのことで、団体とは別のグループは1時間半で山頂に到着したとのこと。 多分、高度を一気に稼ぐ登山道なので、登山者の「力量」がタイムに反映されるのでは。
 時間があったので、当初は途中の分岐から樽前山山頂経由の下山の予定でしたが、背後からまた黒く怪しい雲が迫っており、風も強くなったので、真っ直ぐ下山することとなりました。

当初は、「鎖場」や「梯子場」というガイドブックでの説明を見て若干敬遠ぎみの山でしたが、予想より危険な場所が少なく、素晴らしい紅葉の景色と相まって、札幌近郊の眺めの良い素晴らしい山という認識に改めさせられました。
 






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