藻岩山〜慈恵会コース
                   藻岩山(531メートル)
      2002.10.12 



慈恵会登山口10:15
馬の背10:45
藻岩山山頂着11:10
藻岩山山頂発11:40
慈恵会登山口12:05

 今年八月に健康診断の結果、腸に疾患があることが判明し、九月上旬に6時間に及ぶ手術を受けた。 手術は無事終了したが、手術の結果、直腸全体と大腸の一部を失った。 九月下旬に退院し、すぐに職場に復帰したものの、体力が完全には回復しておらず、しかも腸を失った影響で、排便等大きな後遺症が残ってしまった。 手術後1ヶ月が経過し、なんとか通常の日常生活を送ることが出来るようになったが、以前に比べて、どの程度体力が回復しているのか全く解らない。
  そこで、市内にあって、しかもトイレが完備している藻岩山へ登って、体力の回復程度を実際に確かめてみることとする。 藻岩山には何度も訪れているが、いつもは本州から訪れた客を案内するために、ロープウエイーか車で訪れるのが普通で、自分の足で麓から登ったのは、子供の頃以来である。 
 絶好の秋晴れの中を、地図を見ながら、慈恵会病院の脇から登る、慈恵会コース登山口を目指す。 普段この付近を車で訪れる用事があまりないので、少々迷いながらようやく登山口に到着。 登山口駐車場は、好天に誘われた登山客の車ですでに満車状態のため、駐車禁止となっていない道路脇に邪魔にならないように注意して駐車する。
  登山口には立派な水洗トイレが完備されていて、訪れた時はちょうど清掃中だったので、清掃が終了するのを待ちながらゆっくりと登山の支度をする。 
  清掃が終わった綺麗なトイレで用を済ませて、トイレ脇の登山口から登山を開始する。 しばらくぶりの登山で少々緊張しながら秋の気配が漂う登山道を登る。 登山道は、流石に遠足のメッカだけあって良く整備されており、快調なペースで高度を稼いで行く。  退院からわずか1ヶ月なのに、予想より足が良く動き、体力が順調に回復しているという実感が湧いてくる。  途中、幼稚園児の遠足に遭遇したり、下山してくる家族連れと声を掛け合ったりしながら、楽しく登山道を進む。  
登山道をしばらく進むと、良く通る声で民謡が聞こえてくる。 声のする方に近づいて行くと、犬を連れた壮年の男性が、大きな声で民謡を歌いながら登山をしている。 その歌声は、本格的で、素人民謡コンテストに出場しても上位に食い込むのではないかと思われる程である。  人に迷惑を掛けない程度なら、こういう登山スタイルもあるのかと、少々感心しながら(私が歌えば、確実に人に迷惑となること間違いなし!!)男性を追い越して登山を続ける。
  やがで、馬の背と呼ばれる尾根に到着する。 尾根では、沢山の人がベンチ等で休憩を取っているが、込み合っていたので、そのまま通過して頂上を目指す。  ゆったりとした尾根道を進み、頂上直下の最後の登りに入る。  ここからは、登山道に岩が目立ち始めるが、よく整備されており、非常に登りやすい。 やがで頂上の鉄塔が見え始め、あっという間に頂上へ到着する。
  頂上は、相変わらず観光客で賑わっており、観光客に混じってしばし、頂上からの秋晴れの札幌市内の眺望を楽しむ。 頂上の売店でビールを買い込んで、レストハウス横の芝生に移動して少し早めの昼食を取る。 手術後まだ1ヶ月ということで、まだビールを飲むのは良くないと言うことは充分承知しているものの、この青空と、汗をかいた後ののどの渇きで、ビールの誘惑に勝つことは難しい。
  ゆっくりと昼食を楽しみ、山頂のトイレで用を済ませて下山を開始する。 山頂直下で登る途中で遭遇した幼稚園児の遠足の集団と遭遇し、可愛い声の「こんにちは」攻撃?!の洗礼を受ける。  すれ違う登山者は、土曜日ということもあって、家族連れが多く、装備も運動靴姿という軽装の人が多い。 本格的な登山の装備をしていると、かえって恥ずかしい程である。  順調に下山し、20分少々で登山口に到着。 
 ひょっとしたら、もう山へは行けないかもしれないと思っていただけに、今回の藻岩山登山は、手術後の体力回復をある程度実感でき、低山ながら思い出に残る藻岩山となった。



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