室蘭岳 水元沢〜南尾根(旧道)コース 911メートル
                                               2004.11.07  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2004年11月07日
 白鳥ヒュッテ登山口 08:40  最初の徒渉 09:20  カムイヌプリ分岐 10:30 室蘭岳山頂 11:27
   『登り 2時間47分』
室蘭岳山頂 12:02  白鳥ヒュッテ登山口 13:01
   『下り 59分』
【ひとくちメモ】

 登山口は、室蘭市内から室蘭環状線(道々107号線)に入りダンパラスキー場へと向かいます。 スキー場への入り口には
大きな看板と室蘭岳登山口を示す小さな看板が設置されています。
 道路の突き当たりまで行くと、2棟の三角屋根の研修宿泊施設がありますが、登山口はその左手前にある水洗トイレが併設
された広い駐車場からとなります。
 登山口を明確に示す標識は無い(2004.11.7現在)ので駐車場に設置されている案内板で確認して下さい。
 今回登りに利用した水元沢コースは、徒渉が多く水量が多いときには慎重に通過しましょう。 川の底の石は、どこも滑り
やすいのでストック(出来ればダブル)を持参することをお薦めします。



  
 今回は、以前から「秋に室蘭方面で登山会を開催したい」という山のメンバーの希望で実現した山行です。 メンバーは春に一緒にオロフレ山を登った参加者を中心に10名で山頂を目指します。
 前日の夕方、登山口となる白鳥ヒュッテに集合し、盛大な懇親会の後、白鳥ヒュッテに宿泊しました。 前日の懇親会には14名が参加し、山の話題で盛り上がる楽しい夜となりました。



 今まで何度か登っている室蘭岳ですが、あまりにも「お手軽」すぎて、きちんと記録を取りながら登った事がありませんでした。 今回室蘭岳の白鳥ヒュッテで山の仲間と前泊し、翌日室蘭岳へ登るということで今回はしっかりと写真と記録を取りながら登ることとしました。
 前夜の白鳥ヒュッテでの「打ち合わせ」が綿密すぎたためか、体調が優れないメンバーも居ましたが、日頃鍛えた体力で大丈夫と判断し、白鳥ヒュッテ前での相談の結果今回は水元沢コースから山頂を経由して、南尾根コース(旧道コース)から下山することとなりました。
 白鳥ヒュッテ前で入山届けを行い、しばらく南尾根コース(旧道コース)を進むと、水元沢コースとの分岐に到着します。



 水元沢コースの分岐点からしばらくは、眼下にダンパラスキー場の斜面を見ながら綺麗に植林された人工林の中を進みます。 水元沢コースは、その名前のとおり「沢」沿いを進むため、分岐から川にたどり着くまでずっと下りが続き、これから山地を目指すのではなく、まるで下山しているようです。 やがて、沢の水音が聞こえてきてようやく最初の徒渉地点に到着です。 徒渉地点の標高は260メートル程ですから約470メートルの標高の白鳥ヒュッテから200メートル以上下ってきたことになります。 

 

  最初の徒渉地点は、昨夜の雨の影響か、水量も多く流れも急です。 登山道の川上に倒木を利用した橋が架けられていますが、細くて滑りやすいので注意が必要です。今回は岩登りで日頃バランス感覚を磨いているメンバーのみが橋を利用し、他のメンバーは浅瀬を利用して徒渉しましたが、川底に苔が生えているため岩か滑り、メンバーの1人が川の中で転倒しました。 どちらにしても最初の徒渉には注意が必要です。 対岸に渡るとすぐに室蘭工業大学の中から延びる林道(途中で施錠されているそうです)となっており、しばらくは林道を進みます。



 林道歩きに別れを告げ、本格的な沢沿いの登山道を進んで行きます。 変化に富んだアップダウンと、大小の徒渉を繰り返しながら、沢沿いの登山道を楽しみながら進みます。 最初の徒渉より規模の大きな徒渉はありませんが、沢底はどこも川底の苔で滑りやすいので注意しながら進みます。 最後の徒渉からは、尾根へ至る急斜面となります。 急登が続く登山道の途中には何カ所かロープが設置されていますが、どれも結構古い物なのであまり頼りにするのは危険そうです。 両手両足を使って急な斜面をはい上がると稜線となり、しばらく進むとカムイヌプリの頂上へ至る縦走路との分岐となります。



 分岐付近からは、晴れ上がった青空をバックにカムイヌプリ、風不死岳、樽前岳等が見渡せ、南には穏やかなカーブを描く噴火湾沿いに室蘭の街並みと対岸の駒ヶ岳がクッキリと浮かび上がっています。
 昨日は、曇天で夕方からは激しい雨が降りましたが、今日は打って変わり風もなく穏やかで暖かい小春日和です。 
カムイヌ゜プリ分岐先の沢を直登するルートのために刈り払われた休憩スペースで短い休憩時間をとりました。



 カムイヌ゜プリ分岐からは、頂上まで一気に至る急登となっています。 良く整備された笹の刈り払われた登山道を喘ぎながら登っていきます。 やがて前方に見えていた反射板がだんだん近くなり、やがて低い笹原となります。 ここまでくれば山頂は間近です。 山頂で寛ぐ登山者の笑い声が微かに聞こえてきます。



 やがて、視界が開け室蘭岳山頂に躍り出ます。 ここの山頂にも、胆振地方の山頂に多く設置されている「鐘」が設置されています。 室蘭岳山頂には、立派な山頂標識が設置されていますが、本当の頂上は標識が設置されている所ではなく、その手前の左側の場所で、一等三角点が設置されています。
山頂では既に数組のグループが到着し山頂からの景色を楽しんでいました。 通常であれば我々のグループも山頂で食事を摂るところですが、今日は下山後地元の山のメンバーが経営するラーメン店で食事を摂る予定なので、今回は水分と行動食の補給のみです。
 山頂で記念写真を撮っていると、地元の方と思われるお年寄りが休憩されており、よくよくお顔を拝見すると、今年の夏に羅臼岳に登った際に同じ所で休憩を摂った室蘭の山岳会のメンバーの方でした。
 しばらく山頂で寛いだ後、下山を開始します。



 南尾根コースは、室蘭岳山頂に至る最短のコースで、特に危険な場所もなく、比較的小さな子供でも安全に登る事が出来るコースです。 水面が日差しに輝く噴火湾の景色を楽しみながらの下山です。 
 白鳥ヒュッテに近い場所に「水神社」が設置されていて、丁度地元の山岳会の方が祀られている祠の清掃をされていました。 清掃等の祠の管理は地元の山岳会の方が月に一度行っているそうで、「水神社」に纏わるいろいろなお話を伺うことが出来ました。 水神社を過ぎると、まもなく白鳥ヒュッテに到着です。

今回は、天候にも恵まれ、前夜の白鳥ヒュッテでの懇親会を含め、今年の夏山を締めくくる楽しい山行となりました。

室蘭岳へのアプローチGPSトラック
(受信状態が悪く部分的に途切れています)


白鳥ヒュッテひとくち情報
 白鳥ヒュッテは、ダンパラスキー場の登山口から約徒歩10分の場所にあります。 室蘭市の教育委員会が管理しており、原則
として通年利用出来るようです。
 使用料、宿泊料は無料です。
 木造2階建てで、1階には水場と石炭ストーブが設置されています。
 収容人数は30名で、1階部分には沢山の人が寝るスペースはありませんが、屋根裏となっている2階部分には20名近い人が
眠ることが出来ます。
 寝具等はありませんので、持参する必要があります。

 滞在している期間は分かりませんが、日中は管理人が常駐しています。

 屋外にある水は、近くの「水神社」からパイプで引き入れたもので、一応エキノコックスに汚染されている危険があるようですが、
小屋の中の水は濾過器を通っているので安心して使えるようです。 
 トイレは屋外で、くみ取り式ですが比較的新しく綺麗に清掃されていました。
 電気はありませんので、宿泊する場合は各自「灯」りが必要です。

 通常、宿泊等には事前の予約は不要とのことですが、大人数で宿泊する場合は、事前に教育委員会から委託されている
室蘭市体育協会(0143-44-7521)(月曜休み)に連絡を入れた方が良いようです。




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