ニペソツ山 (2013m)十六の沢コース

11名の集団登山     2002. 6. 30 

(1日目)
十六の沢登山口 6:00
天狗のコル 7:45
前天狗下尾根 9:15
ニペソツ頂上11:00
ニペソツ頂上12:10
前天狗下尾根13:35
天狗のコル14:00
十六の沢登山口15:50
登り 5時間
下り 3時間40分
(休憩を
含む)

 同じメーリングリストのIzuさんのお誘いがあり、長年単独行では「遠くて危険」という理由で、家族の「お許し」がでなかったニペソツ山へ行く機会を得た。このような、機会を作って頂いた、Izuさん、どうもありがとうございました。 前日の昼頃から札幌市内からの参加者と合流して、一路今日の宿となる糠平温泉「山湖荘」へ向かう。 山湖荘のご主人のKaniさんも同じメーリングリストのメンバーということで、前日の「打ち合わせ」が大いに盛り上がる。 池田町のHiroさんも貴重なワイン持参で駆けつけていただき、さらに「打ち合わせ」は盛り上がり...........................。
 翌日、朝4時に目覚ましも鳴らないのに、全員速やかに起床。 そこで誰かがボソッと一言。 「この歳になれば、みんな自然と目が覚めるんだよな〜」 うぅ〜ん、同感。
 朝食を済ませて、朝5時に糠平温泉を出発し、登山口へ向かう。 登山口へ向かう林道入り口までが約30分、林道入り口の入山届けに記入して、さらに10分ほど未舗装の砂利道を砂埃を舞い上げながら進むと登山口に到着する。 予想はしていたものの、登山口には自動車があふれていて、駐車スペースが全くない状態となっていた。 やむなく道路脇に通行の邪魔にならないように車を寄せて駐車する。 登山口には案内板と簡易トイレが整備されている。
 登山口の沢には、綺麗な川が流れており、丸木橋を渡って、いきなり急な尾根に取り付く。 登り初めてすぐはかなり急な登りが続き、やがて広葉樹と笹が混じる見通しの利かない樹林帯を進む。 今日は気温が高く、一気に全身から汗が噴き出る。 今日は無理をせず、ゆっくりと登るとの事であったが、私からすればかなりの早さである。 やがて、このコースの第一の難所である天狗のコル前の岩場にさしかかる。 登山道の行く手を阻むように大きな岩が立ちふさがっている。 ガイドブックを見ると、鎖やロープが敷設されているとの記載があるが、現在は全く何もない状態で、通過方法としては、岩の真ん中の窪みを乗り越えて上を通過する方法と、岩に僅かに張り出している細いテラスを進む方法があるが、テラスは崩壊が進んでいて、かなり危険な状態となっている。 今回は、岩を乗り越えて無事通過することが出来た。 地元のHiroさんが小学生の時(今から30年以上前)には、この岩には沢山の土が被っていて、簡単に通過出来たとのこと。 今後も、この岩は崩壊が進むことが予想される。 岩場から緩やかな下りとなり、天狗のコルに到着する。 コルには3〜4張りのテントが残されていたが、主は既に頂上を目指したらしく、人影は無い。 さらに樹林帯を進むと、やがて森林限界が近くなり、ハイ松のトンネルを抜けると、一気に視界が広がるガレ場となり、前方に石狩岳の雄大な頂が迫る。 この前後から、快調だった体調が急激に悪化し、足に力が入らなくなってしまう。 シャリバテかと思い、行動食を取って、水を補給してみるが一向に回復する気配が無い。 どうやら、この暑さと、いつもと違うペースで登ってきたため、体に乳酸が一気に蓄積してしまったようである。 このまま、集団に着いて行くと、この先で全体に迷惑がかかる可能性があると判断し、隊長のS木さんに、先に行ってもらうようにお願いして、徐々に体力を回復させながら、マイペースで進む作戦に切り替える。 靴ひもを縛り直し、ザックの加重調整等、再度点検し、気持ちを切り替えて、単独行となっても頂上を目指す決意を固める。 
 急なガレ場を進んでいくと、やがて平坦な場所に出で、大きな岩が広場のように積み重なっている場所に到着する。 岩場の方角からは、姿は全く見えないものの、ここの名物となっているナキウサギの特徴のある甲高い声が響いている。 足下には、人なつこいシマリスが走り回り、愛嬌を振りまいている。
 ようやく、前天狗に到着すると目の前に、噂に聞いていたとおりの、雄大で険しいニペソツの迫力ある山容が目に飛び込んでくる。 沢山の人を引きつけるだけあって、「凄い」としばし言葉を失う程の素晴らしさである。 その一方、あまりに厳しい山の姿と、細い山の尾根を縫うように続く登山道を見て、本当にあんな所まで行けるのだろうか?という大きな不安も同時に沸いてくる。 
 天狗岳で休養を取り、遙か遠くにそびえ立つ山頂を目指す。 天狗岳から帰りの下山の事を考えたくなくなりそうな、登り返しとなる岩の傾斜を一気に下り、やがて頂上へと続く尾根へと向かう。  途中で、快調なペースで下山する2組とすれ違うと、その一人から名前を呼ばれる。 「ん〜?!」 と顔を上げると、なんと函館のMurさんである。 ザックには、先日のYML道南地区懇親会に私が運んだ目印のフラックが揺れている。  思わぬ再会に、挨拶を交わし、気を取り直し、先頭部隊に大きく遅れながらも山頂を目指す。 天狗岳尾根からは、私同様に体調を崩した、KiKuさんと私をサポートするために、隊長のS木さんが、最後尾から落ちこぼれた二人組を最後まで見守って頂いた。 高所恐怖症には、お尻がムズムズしそうな急な細尾根を、あえぎながらひたすら登ると、やがて急な斜面をトラバースするようなガレ場に到着する。 運が良いとナキウサギに会えるという事だが、今日は全く鳴き声も聞こえない。 ガレ場を回り込むと、ようやく沢山の人の姿が見える頂上が見え、一足先に着いている本隊の皆さんから、「あともう少し〜がんばって!!」との声援を受けて、やや元気を取り戻す。 先着部隊の本隊から遅れること、約30分でようやく、山頂に到着する。 休憩時間を含んで、約5時間という超スローペースでの往路となってしまった。
 山頂では、既に予定していたジンギスカンの準備が出来ていて、二千メートルを超える「秀峰ニペソツ山」の山頂に、ジンギスカンの何とも言えない良い香りが漂っている。 山頂に居た他のグループは、明らかに少々「引いて」いるような.....................。
 山頂で、約1時間休憩と懇親会?を行い、下山を開始する。 ゆっくり休憩したおかげで、体調はかなり回復したものの、やはり登りはかなり辛いものがあり、案の定登り返しで、また集団から遅れてしまう。 それでも、徐々に体力は回復傾向となり、天狗のコル付近からは、集団に着いていくことが出来るようになる。 最後の岩場を通過する頃には、体調がほぼ回復して、足にもダメージを感じる事があまりなく、快調に下る事が出来た。 予想より、僅かに早い3時間40分で登山口に無事帰還。 一時は、どうなる事かと心配したが、隊長のS木さんを始め、同行した皆さんの励ましのおかげで、無事念願のニペソツの登山を終えることが出来た。

 下山後、層雲峡経由で札幌帰宅。 層雲峡の「黒岳の湯」で汗を流す。 ワールドカップ決勝戦をラジオで聞きながら、高速道路を順調に飛ばし、札幌市内中心部に午後8時30分頃到着。 

今 回 の 教 訓
 1、決して、HYMLのメンバーが募集する「健脚者向け」のオフミには参加してはいけない。
 2、歩くのが、遅いという女性の「甘い言葉」には、決して惑わされてはいけない。(まだ、修行が足りない?) (^^)

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