沼ノ原〜五色岳〜忠別岳〜高根ヶ原〜白雲岳〜高原温泉縦走

                                               2005. 07.16  


一日目コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2005年07月16日
 
クチャンベツ登山口 06:15  沼ノ原入口 07:20  沼ノ原分岐 08:20  五色の水場到着 09:30 
 五色の水場発 10:08  五色岳 13:50  忠別小屋分岐 14:56  忠別避難小屋15:20
行動時間 9時間05分 移動距離 12.4キロ

写真提供 フェルさん <(_ _)>



  今回の山行は、テントを担いで二泊三日で大雪山の中心部を縦走しようという大計画です。 縦走するコースは、沼ノ原登山口を早朝出発し、五色ヶ原、五色岳を経由し、忠別岳、高根ヶ原、白雲岳、緑岳を通過し、高原温泉に下山しようというものです。 健脚者なら一泊二日でも縦走可能なコースですが、今回はお花と景色を楽しみながら、ゆっくりと縦走を楽しもうという趣向です。 
 しかしながら、ゆっくりといっても、総歩行距離30キロ程の長丁場で、しかも初めてのコースということもあり、とても心細く、無理をいって大雪を知り尽くすMIURAさん御夫婦に同行願うこととなりました。 他のメンバーは、いつものレギュラーメンバーのMarikkaさん、あかねさん、そしてフェルさんです。 
 前日はそれぞれ仕事を終えてから札幌を発ち、大雪ダム除雪センター駐車場に午後10時に集合し、そのまま駐車場に車中泊しました。
 
 クチャンベツ登山口の林道入り口にはゲートが設けられており、事前に鍵の番号を確認する必要があります。
  問い合わせ先 上川森林管理所 TEL 01658-2-2001(平日のみ)




  朝駐車場で午前4時に起床し、軽く朝食を取った後、車3台で高原温泉駐車場を目指します。 高原温泉駐車場には既に数台の車が駐車場に停まっており、登山の準備をしています。 駐車場の真ん中からは、何故か地面から直接わき水が流れ出しており、駐車場を濡らしていました。 車1台を残して、残り2台でクチャンベツ登山口に向かいます。 クチャンベツ登山口の入り口にはゲートが設置されていますので、電話で鍵の番号を確認しておきましょう。 良く整備された林道を進むと、小さな小屋とトイレが設置されている登山口に到着です。 幸い我々が到着したときには5〜6台の車しかありませんでしたが、登山の準備をしている間に次々と車が到着し、あっという間に満車となってしまいました。 二日後車を回収に訪れた際には、人気の登山口だけあって、相当離れた林道脇にも沢山駐車車両が残されていました。
 容赦なく襲いかかる、蚊を追い払いながら身支度を済ませ、肩に食い込むザックを背負っていよいよ出発です。 登り始めてまもなく2回の徒渉がありますが、丸太がかかっており心配ありません。 徒渉してからしばらくは、傾斜の緩い登山道が深い森の中に延びています。 



  はじめは緩やかだった登山道も徐々に急になって、沼の原入り口に至るきつい急坂の連続となります。 今回は、二泊三日のテント泊ということもあって、ザックの総重量は20キロを優に超えており、ザックの重さが肩に食い込みます。 これでも、飲み物の量はかなり押さえたのですが...................。 手足を総動員して、この急登を越えると、沼ノ原の入り口となる台地に出ます。  ここからは殆ど平坦な登山道となり、やがて「沼ノ原2キロ」の標識が見えてきます。


 

  さあ、いよいよ木道の始まりです。 ここからは、点在する大小の池の中を木道が続き、大小の池にはトムラウシ山の勇姿が池の水面に映るというビュースポットです。 期待に胸を膨らませながら木道を進みましたが、今日は生憎雲が低くたれ込め、トムラウシの勇姿を望むことは出来ませんでしたが、これから進む五色ヶ原がうっすらと見えています。 石狩岳方面への沼ノ原分岐を通過して、さらに木道を順調に進んでいきます。




 トムラウシ山は姿を見せてくれなかったものの、木道からは石狩岳方面の天望は開けており、石狩岳、ニペソツ山を含む残雪が美しい石狩連峰が綺麗なシルエットを見せてくれました。今年は全体的に雪解けが遅いせいか、沼ノ原全体の水の量が少なく、干上がった湿原の中に木道が延びている場所も目立ちました。 木道の両側に広がるお花畑をゆっくり楽しみながらやがて、沼ノ原最大の池となる大沼に到着しました。 大沼も例年に比べて水の量が少ないとのことで、沼の周辺は干上がった岸辺が広がっていました。 




 大沼に別れを告げ、一旦木道に別れを告げ、森林地帯に入ります。 少し急な登りを登り切り、少し下ると五色の水の水場へと到着です。 ここの水場は、伏流水が湧き出しているそうで、一年中枯れることはないそうです。 水場で水を補給し、ゆっくりと休憩を取ることにします。 少し早い昼食を取るメンバーも居て、30分以上も寛いでしまいました。 水場で英気を養い五色ヶ原を目指して進んでいくと、大きな雪渓が見えてきました。




 どうやら、五色ヶ原はまだ雪に覆われているらしく、五色ヶ原に続く登山道脇の小川には、轟々と凄い水量の水が音を立て流れています。 予想とおり、五色ヶ原は一面の大雪原となっており、期待していたお花畑は雪渓の下でまだ眠っているようです。 雪原の中で遙か遠くに見える五色岳を眺めながら小休止を取ります。 




 五色岳が近くに見え始める頃から、徐々に雪が消えて、本来の五色ヶ原の姿を見せてくれるようになりました。 木道の両側はまさにお花の絨毯となっており、お花の撮影を繰り返すため、なかなか五色岳が近づいて来ません。 チングルマ、エゾコザクラ、ツガザクラ、ホソバウルップソウ.............これだけお花が溢れていればやむを得ません。 木道の傾斜が少しきつくなり、登り切ると五色岳山頂に到着です。 五色岳山頂には山頂標識がなく、倒れそうに傾く三角点の支柱だけで少し寂しい山頂となっていました。




 山頂からハイマツが両側から覆い被さるかなり急な斜面を忠別岳方向へ向かって下り降ります。 両側から覆い被さるハイマツは、ちょうど顔面の高さで、両手で目の前に覆い被さるハイマツを掻き分けながらハイマツのトンネルを下るのですが、あちらこちらが引っかかりかなりの抵抗です。 下りでこの苦労ですから、この登山道を登るのは、かなり苦労するのではないかと思われます。 臑や腕に青アザを作りながら何とかハイマツ帯を抜けて、今日の宿泊地となる忠別岳避難小屋への分岐へ到着です。




 分岐から少し下ると、またハイマツのトンネルが続きます。 ハイマツを掻き分けながら前に進むとやがて大雪渓となり、ようやく目指す忠別岳避難小屋と鮮やかなテントが見えました。 流石に三連休の初日とあって、避難小屋はほぼ満員となっており、小屋の近くのテン場も混雑しています。 更に下にもテントを張れる場所があると聞き、さらに下のテン場にテントを張ることになりました。
 9時間かかってようやくたどり着いたテン場でしばらく寛ぎ、おのおの少し早い夕食を取ると流石に疲れが出で、まだ暗くならないうちに全員眠りについてしまいました。






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