姫川コース〜1010峰尾根道コース

乙部岳(1016メートル) 
      2001. 11. 24 

姫川登山口 9:00
行 者 祠 9:35
天 狗 岩11:05
尾根上11:15
乙部岳山頂到着11:50
乙部岳山頂出発13:00
613メートル峰14:10
尾根道コース登山口14:40
登り2時間50分・下り1時間40分

  北海道山メーリングリスト道南支部の忘年登山会の企画として、初冬の乙部岳登山を実施した。  結局道南から3名、札幌周辺から8名の参加を得て、比較的暖かい道南でも、今年の夏山シーズンを締めくくるにふさわしい、盛大な登山会となった。 午前8時に厚沢部町の「道の駅」駐車場に集合し、道々旭岱鳥山線から姫川コース登山口へ向かう。 この道々は、途中から林道に替わり、本来は八雲町野田生に抜けることが出来るのだが、現在(H13.11現在)は途中で崩落によって道が寸断されており、通り抜けることが出来ない。 道は、途中から未舗装の道と替わり、車高の低い乗用車でも充分通行可能であるが、ある程度車の底を砂利にぶつける覚悟が必要である。 登山口には、周辺を含めて車6〜7台分の駐車スペースがあり、入山者の少ない道南の山では、駐車スペースを心配する必要はなさそうだ。 登山口で入山届けを記入した際に入山者名簿を確認すると、我々の前の入山者が約1週間前、その前が10月下旬と、いくら入山者が少ない道南の山とはいえ、かなりの寂しさである。
  登山口から、すぐにやや急な斜面を登り、雑木林の中を進むとやがて、周りが開けた川沿いの登山道となる。 まもなく、最初の渡渉となるが、水量は少なく、川の中の石伝いに登山靴をあまり濡らすことなく渡渉することが出来る。 その後若干のアップダウンを繰り返し登山口から約30分で行者祠に到着する。 祠には、新しい「しめ縄」や供え物が置かれており、比較的綺麗に手入れされている。 祠は大きな岩盤が倒れかかるようにして出来たもので、何故崩れないで止まっているのかが不思議である。 この祠は、山で修行する修験者が身を清める為に使用したとの、案内板が設置されていた。  祠を過ぎてからもしばらくは、渡渉を繰り返しながらの沢道のような登山道を進むが、あまり高度を稼ぐことが出来ない。 しばらく沢沿いの道を進むと、帰りに使用する予定の尾根道コースの613メートル峰への連絡道の分岐点を通過する。 乙部岳には、義経伝説があるらしく、分岐点の表示は九郎義経にゆかりの場所を示す内容となっており、少々解りずらい。 かなり、沢の奥にまで入ってきているが、ほとんど高度を稼ぐことが出来ず、登山道左には、荒々しい岸壁が迫ってきてかなりの迫力である。 登山道からは、乙部岳山頂は全く見えず、あの切り立った岸壁を上るのかなと、少々不安がよぎる。
 標高450メートル付近で沢が別れており、道の右側にも登山道のように見える沢があるが、中央の尾根へと取り付く。 いよいよ、ここから急な上り坂の始まりである。 かなりの急な斜面を左右に巻ながらぐんぐんと登って行く。 ここまで、だらだらとした緩い上り坂の登山道だったが、一気に高度を稼ぐ。 どんどん高度が上がり、やがて前方にろうそくのように細く突き出している天狗岩が見えてくる。 登山道は、さらに天狗岩を目指すように急な上り坂が続き、天狗岩の脇を抜けて待望の尾根にたどり着く。
 尾根からは、1010峰が見えているが、陰に隠れて目指す乙部岳頂上をまだ見ることが出来ない。  稜線上には、延々と細い登山道が見えていて、頂上まではかなり距離がありそうだ。 稜線上から若干下った後、1010峰頂上に到着。 ここで、やっと目指す乙部岳と山頂の開発局が設置した気象観測用の白いレーダードームが姿を現す。 登山を開始してからはじめて見えた山頂は、一旦稜線を下った先のかなり急な稜線の登りの上にあり、一同「え〜っ、まだあんな先なの〜?」との声があがる。 一同、若干がっかりしながら、いくつかのアップダウンを繰り返し、想像したより早く乙部岳山頂に到着。 山頂は、ガスがうっすらかかっており雲が多くて、残念ながらあまり展望が開けていない。 まあ、雨が降らないだけ良しとするしかないであろう。  頂上で集合写真を撮った後、ドーム周辺で思い思いの昼食となる。 山頂には、立派なトイレが設置してあるが、冬季の閉鎖中で入り口が封鎖されていた。  頂上は、雪は全く無いものの、さすがにかなり寒く、食事中にどんどん寒くなって行く。 ラーメン等それぞれ身体が暖まる食べ物を食べているのだが、それでも寒く、メンバーが持参した梅酒を暖めて飲む。 冷えた身体に、甘く暖かい梅酒は、大好評で2リッターの梅酒が、メンバーの胃袋に消えてしまった。
  約1時間の山頂での休憩の後、午後1時に下山を開始する。  下りは、1010峰頂上まで登った登山道を引き返し、1010峰頂上付近から右折して、尾根道をひたすら下る。 頂上からしばらくは笹藪の中の比較的緩い下り坂を進む。 しばらく行くと、若干の登り返しの後、細い尾根道となっており、道の両側がかなり切れ落ちた登山道となっているので、注意が必要である。 細尾根を過ぎると、木々が深く生え茂った窪地へ到着し、窪地から613メートル峰への登りが待っている。 613メートル峰からの下りは、比較的傾斜のきつい斜面の一気な下り坂となる。 当日は、ブナの落ち葉が登山道を埋め尽くしており、落ち葉を踏みしめながらの初冬らしい登山道なのだが、積もった深い落ち葉が登山道の障害物を覆い隠しているので、慎重に下山する。  山頂から1時間40分で尾根道登山口に到着する。 尾根道登山口脇には、比較的新しいトイレが設置されており、まだ使用に耐えられる状態であった。  ここからは、約三百メートの林道を戻り、姫川登山口に戻る。
  天候には、今ひとつ恵まれなかったものの、初冬にしては珍しい雪の全く無く、山頂以外ではこの季節とは思えないような暖かいく、楽しい山行となった。



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