斜里岳〜旧道から新道コースへ 1547メートル
                                                                2003.9.15  


コースタイム(休憩時間を含む)

登山日 2003年09月15日
登山口 06:25  下二股 07:00 上二股 08:35  馬の背  09:05 山頂 09:25 
   『登り 3時間』
山頂 09:35 上二股 10:15  熊見峠11:05  下二股 11:55  登山口 12:30
   『下り 3時間』
【ひとくちメモ】
登山道は、最初から沢歩きとなります。 某ガイドブックには「危険な部分には鎖が張られ、心配には及ばないが、ちょっと面白みに欠ける」
と書かれているが、これはロッククライミング等が「面白い」と感じる人々の感想 (*_*)
私には、とっても恐ろしかった!!
途中の沢道には、「滝」や「崖」が沢山「立ちはだかり」、足を踏み外せば命の危険も感じる場所も...............。
多くの登山者は、登りは旧道を使い、下りは新道を利用しているようです。 確かに、旧道は「登り」より「下り」の危険度が高そうです。
新道の登りは、急登が続いてあまりお薦め出来ませんが、高所恐怖症で、沢登りが「大嫌い」という方には個人的には往復新道の
利用をお薦めします。

 羅臼岳に挑戦したものの、悪天候で途中撤退した翌日、「全道的に晴れ」の天候を信じて、道東の百名山、斜里岳への挑戦です。前泊は斜里町の「ウナベツ自然休養村」でしたが、併設の温泉施設のお湯が最高でした。 宿泊料金は、素泊まりで1人3,〇〇〇円と経済的で、お薦めです。
斜里岳のGPSトラック 登山道が地図と若干ずれています。

 
 
登山口は、清岳荘の裏が入り口です。 清岳荘は、数年前火事により焼失して、現在は仮設のプレハブですが、少し離れた所に新しい清岳荘を建設中のようです。 現在の登山口へ向かう道路の途中から新しい清岳荘へ向かう道が新たに建設中でした。 現在の登山口の駐車場のスペースは十台程度で、混雑する週末にはすぐ満車となるようですので林道の脇に邪魔にならないように路上駐車しましょう。 清岳荘の脇には、トイレが設置されています。 登山道の途中には心ない登山者の残したトイレ跡が増えていると聞いていますので、登山前に必ず用を済ませておきましょう。

 
登山道は、歩き始めるとすぐに川を渡渉しながらのワイルドな沢歩きとなります。 沢の水量は、登山靴が水没するほどではありませんが、流れが速いので充分注意が必要です。 沢の川底は茶色の「錆色」をしています。 話によると川の成分に鉄分が多いためで、鉄の組成が影響して岩に「苔」が生えにくく岩が滑りにくいと。
 ピンクのリボンを頼りに、下山に使用する新道との分岐点でもある下二股に到着する。 下二股に到着する頃には、雨が降り出し、上下ともに雨具を着込む。
 その後、川岸を左右に何度も渡渉しながら上二股を目指しますが、なかなか高度を稼ぐことが出来ません。
 
やがて白糸、水簾、羽衣、万丈、七重、見晴、竜神、霊華と次々と滝が現れ、滑る滝の横や、滝を高巻きするような険しい崖を鎖やロープ、時には両手を使いながら、慎重に登っていく。 一応「安全」とされているが、滑らないはずの「茶色の岩」には苔が生え始め、さらに雨が降り出したこともあって、場所によって非常に滑り、一歩間違えば滝下に転落という場面が何度かあった。 
 ようやく、上二股到着です。 上二股からしばらくは登山道の傾斜はやや緩やかになるものの、相変わらずの沢歩きが続くが、沢の水量が少なくなって沢の源頭となり、ようやく苦手の沢から解放される。 沢が終わると、こんどは馬の背まで、滑りやすいガレ場が続き、喘ぎながら頂上を目指します。 頂上は深いガスに包まれていて、しかもかなり強い風を伴っていて、条件は最悪に近いのですが、本州からの団体客を中心にかなりの登山者の姿が山頂を目指しています。

 最後のガレ場の急登を登り切って、「祠」の前を通過して、やや急な岩場を登るとようやく山頂です。 あいにく山頂からの景色は全く見えず記念写真を撮って10分足らずの山頂滞在で、下山を開始します。 山頂からの雄大な景色を期待していたのですが、この天候では仕方がありません。 前日の羅臼岳のように山頂を踏めなかった事に比べれば、とにかく山頂まで来られたのはラッキーだったということかもしれません。

山頂からの下りで、馬の背を過ぎた頃から、急にガスが引き始め、眼下に素晴らしい紅葉の斜面が突然見え始めました。 予想していなかった展開に、全員思わず「うわ〜っ」と声が上がります。 ガスは急速に引いて遠くの視界も開けてきます。 摩周湖の中島や屈斜路湖などかなり遠くの風景もはっきりと見えています。 昨日の羅臼といい、今日の斜里も天候に「見放された」と思っていただけに、この素晴らしい「ご褒美」に一同しばし見とれていました。

上二股分岐で昼食を取り、新道を下ります。 途中から振り返ると、紅葉の斜面がとても綺麗です。 斜里岳の山頂付近は、また強い風に流されて来た厚い雲に覆われ始めました。 先程まで馬の背に見えていた人影も見えなくなってしまいました。
新道は、熊見峠までは比較的緩やかな登山道をアップダウンを繰り返しながら徐々に下っていきます。 やがて熊見峠へ至る尾根に差し掛かりますが凄い強風で吹き飛ばされそうになります。 顔面に当たる風が痛くて目を開けるのがやっとの状態です。
なんとか強風の熊見峠を通過して、あとは下二股までの急な下り坂を下ります。 新道の途中では、下から登ってきた親子連れの2名とすれ違っただけで、やはり新道から登る人は殆ど居ないようです。
長い下り坂を下り終えて、ようやく下二股に到着し、久方ぶり?の沢道に戻り、ようやく清岳荘に到着しました。

ある程度のワイルドさは予想していたものの、これ程の沢登りと滝登りを余儀なくされるとは思っていませんでした。 
正直なところ、もう一度誘われても旧道から登るのは個人的には辞退したいものです (^^ゞ




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