空沼岳〜残雪期 1251メートル
                                                           2003.4.27       

  
登山口手前100m  8:40
万計山荘着 10:20
万計山荘発 10:33
真簾沼着 11:20
空沼岳山頂着 12:25
空沼岳山頂発 13:35
真簾沼着 14:18
万計山荘着 14:50
万計山荘発着 14:55
登山口手前100m 15:55

  毎年この時期に、夏山シーズン第一弾目の山を何処にするか、大変悩んでいる。  残雪の状況によっては、危険が予想されるが、刻々と変化する残雪の的確な情報を得るのも難しい。  結局、今年も支笏湖畔の最も無難なイチャンコッペ山へ登ることに決め、準備をしていたが、山仲間のカントリーマンさんから、空沼岳へのお誘いを受け、急遽しばらくぶりに訪れることとなる空沼岳登山に変更する。

  今回は、高校の同窓生でもあるsakuraさんも同行との事。 sakuraさんとは、ネット上では何度かやりとりをさせて頂いているが、お会いするのは初めてである。
  午前8時に支笏湖へと向かう国道の除雪基地駐車場に集合の約束だが、出発に手間取り、約束の5分前にようやく到着。  既にカントリーマンさんと、sakuraさんが到着していて、手を振って出迎えて頂く。  ネット上では、「先輩?!」とか勝手に決め込んでいたが、お会してみると、予想以上?にたいへんお若くて、ビックリ。 今まで大変失礼いたしました。

  駐車場を出発し、空沼岳登山口へ向かう林道を進む。 登山口まで車で入れるとの情報を得ていたので、安心していたが、登山口手前100メートル付近から車道が雪で覆われており、仕方なく車道脇に駐車する。 連休中ということもあり、かなり込み合っているのではないかと予想してきたが、着いてみると、車も数台駐車しているだけで、ひっそりとしている。

  カントリーマンさんとsakuraさんは長靴、私はゴアの登山靴にロングスパッツという装備で、登山口を出発。  登山者名簿を見ると先客は3名ほどのようで、ほぼ同時に登山口に到着した小学生とお父さんの二人連れが先に登山口の鉄製の橋を渡っていく。  登山道は、予想よりも残雪が多く、丁度一年前に同じ道を登っているカントリーマンさんの話では、昨年より10日近く雪解けが遅いのではということだった。 

雪解けが遅いため、途中の水場の水芭蕉もまだ芽を出したばかりで、ふきのとうがチラホラ出ているだけである。 途中の沢沿いに唯一ヤチブキが黄色い花を咲かせていた。

  登山口から、約1時間40分程で万計山荘に到着する。 途中の空沼小屋には暫く人が近寄った気配はなく、屋根の付近を残して雪に埋まっている。  万計山荘も、土台の部分まですっぽりと埋まっているが、小屋の入り口は綺麗に整備されている。 小屋に着くと、先発の親子連れは既に出発した後で、単独行の男性が休憩していた。 この男性も空沼岳に向かうとのことで、まもなく出発していった。 山小屋の前の万計沼はまだほとんど氷に覆われているが、顔を出した水面に鴨が気持ちよさそうに泳いでいた。 

  万計山荘で休憩を取り、いよいよ空沼岳山頂を目指す。  山荘を過ぎたあたりから、いままでほぼ夏道に沿って付けられていた足跡が、複数の方向に分かれており、周りの見通しが利かないため、地図とGPSを見比べながら傾斜を増した白い斜面を慎重に進む。  今日は、雲一つない晴天に恵まれたため、サングラスをしていても、雪で反射した春の日差しがまぶしい。  斜面のあちらこちらには、山スキーの際に付けられたと思われるピンクのリボンがあちらこちらに付けられているが、あまりあてに出来そうもない。

 やがて、前方左に小高い山が見え始めると同時に真簾沼が見え始める。 注意していたはずだが、少々夏道から外れて沼の方向へ寄りすぎてしまったようである。  一部を残して凍結したままの美しい真簾沼を眺めていると、沼の奥方向から2人の登山者の姿が見える。 話を聞くと、それぞれ単独行の登山者のようだが、空沼岳を目指していたものの、足跡につられて沼の奥方向へ迷ってしまったようである。  どうやら、この二人は地図を持っていないようで、体力を消耗したのかそのまま万計山荘方面に引き返して行った。

  真簾沼から空沼岳山頂方向には、はっきりとした足跡が無く、湖の湖畔を目の前の小高い山を目指して進む。  山のすそ野付近まで来ると、先に出発した親子と思われる足跡があり、小高い山の斜面へと続いている。  二人の足跡をたどっていくと、やがてかなりの斜度の斜面の登りとなり、ジグを切りながら深い雪の中をあげきながら登る。 小高い山をようやく登り切ると、ようやく目指す空沼岳の山頂が顔を出してくれた。 頂上へ向かう夏道周辺の斜面は、雪庇が大きく張り出し、雪崩の跡が数多く見られ、近付くのはかなり危険な状態だった。  地図を見ながら、慎重に頂上を目指すルートを探す。 どこもかなりの急斜面で、結局多少斜面が緩やかな場所を選んで登ることとする。

  先頭は、まだまだ元気なカントリーマンさん。  慎重に斜面を斜面を登っていくが、雪が深く太股まで足が雪にめり込んでいく。  途中から斜度もきつくなり、足を動かすたびに、雪が下に落ちて小規模な雪崩状態となってきたため、安全な斜面まで降りて、今度は私が先頭となりようやく尾根に上がることが出来た。 尾根に上がる直前に、先行していた例の親子連れが、下山してくるのに遭遇。 頂上には誰も居ないとのこと。  すると、親子と我々の間に入って出発した単独行の男性は何処へ?!

  ふと、下を見ると、我々が付けた足跡を頼りにやってきた単独行の登山者がすぐ近くまで来ており、さらにその後ろには数組のグループの姿が..................。  こちらが苦労してルートを開拓したのに、後続組は何と楽そうなことか。  やがて追いついた単独行の登山者曰く「いゃ〜、助かりました。 ありがとうございます。」

  ここからは、進行左側の雪庇に近づかないように注意しながら頂上を目指す。 やがで、絶景が広がる誰も居ない頂上に到着。 登山口から4時間弱かかったことになる。 夏道では3時間少々だった記憶があるが、やはりこの雪道では4時間かかってしまうのは止む終えないところだろう。  頂上で記念撮影の後、お決まりの頂上ビールで乾杯。 晴天の山頂でのビールは、何度飲んでも素晴らしく旨い。  その後、各自が持ち寄ったワイン、果物、ラーメンを楽しみながら、ゆっくりと山頂からの景色を楽しむ。  山頂で宴会をやっている間に、後続の登山者が次々と上がってきて、結局10人近くの人数となった。 そのうち、万計沼で先発したのに、姿が見えなくなっていた単独行の男性が、やっと到着。  やはり真簾沼周辺で道に迷ってしまったとのこと。

  山頂での楽しい時間と素晴らしい景色を堪能した後、下山を開始。  途中の急斜面で童心に返って「尻滑り」を楽しみながら下山。  楽しい一日となった。
  今回の登山は、今年の夏山シーズン発の登山となったばかりではなく、昨年暮れに受けた手術後初の往復5時間を超える登山となったが、何とか無事に山頂を踏むことが出来、収穫の大きい山行となった。


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今回の登山のGPSデータはこちらから



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