横津岳〜烏帽子岳〜袴腰岳(巴スカイライン)
横津岳(1167メートル) 烏帽子岳(1078メートル)袴腰岳(1108メートル)
      2000.10.14[2000.6.17及び2000.9.16にも入山] 



横津岳ゲート前12:50
袴腰方向分岐点13:10
巴スカイライン入口13:15
烏帽子→袴腰分岐13:35
烏帽子岳山頂13:40
袴腰岳山頂14:25
烏帽子→袴腰分岐14:50
巴スカイライン入口15:10
袴腰方向分岐点15:15
横津岳ゲート前15:30

 東亜国内航空(現在のJAS)の「ばんだい号」の横津岳山腹への墜落事故をきっかけとして、レーダーが建設され、それに伴い山頂まで立派な「舗装道路」も出来て、すっかり登山の対象から「山」から外れてしまっている横津岳だが、袴腰岳への縦走路が出来て、手軽な「低山徘徊」には格好な山となった。 昔は、道南地区の山の入門コースとして、また遠足で訪れる山として親しまれていたが、今では函館の住人でも、身近に毎日眺めていながら、特に若い人は、ほとんど訪れたことのないという状態である。
 国道5号線(赤松街道)の七飯町大川のテーオーストアの信号機のある交差点から横津岳へと向かう。この道は20数年前に整備され、整備された当時は、深い森の中を抜ける快適な道で、私の好きな「道」の1つであったが、今はすっかり荒れてしまい、継ぎ剥ぎだらけの無惨な姿となり、走行中にかなりの振動となっている。中腹にあるゴルフ場を抜け、さらに上にあるスキー場へと向かって車を走らせると、急に道が狭くなり一瞬この先は「一般車両は通行できないのでは?」と思わせる看板が道ばたにあるが、その先のゲートまでは一般車でも可能ゲートのすぐ前に2〜3台の駐車スペースとゲート手前に、十台前後の駐車が可能な広いスペースがある。九月に訪れた際には、ちょうどパトカーが巡回?に来ていて、ゲート前の駐車スペースには駐車しないように注意していたので、可能であれば、手前の駐車スペースに駐車した方が良いかもしれない。しかし、警察もこんな所の「合法的な」駐車の取り締まりをするなら、五稜郭交差点や競輪場前の目に余る違法駐車をきちんとしろ!!と思わず叫びたくなるのは私だけであろうか?
 ゲート横の入山者名簿に氏名・住所を記入する。名簿には、同じ北海道山MLのTさんのお名前が頻繁に書かれており、外にも同じ職場のGさん等お名前を存じ上げる方のお名前がちらほら。ゲートからは整備された舗装道路が続くが、横津岳の山頂に向かうだけあり、結構な登り坂が続く。登山靴では歩きにくい舗装道路を急ぎ足で約20分、横津岳山頂の巨大なレーダードームが見え始めてまもなく交差点があり、直進すると横津岳山頂右折すれば烏帽子岳、袴腰岳へと続く。右折してからしばらく進むと、正面に携帯電話の施設があり、そこから道に沿って右に進むと、また無線中継のための施設があり、さらに緩い下り坂を進むと正面にまた巨大なドームが上に乗った無線の施設で舗装道路が行き止まりとなる。ドームの正面に向かって左側に登山道の標識があり、鉄柵にそって回り込んだドームの裏が「巴スカイライン」入り口となる。
 巴スカイラインを進むとすぐに道が二股に分かれており、左側には「慰霊碑」入り口の看板があり、もう一方の道を直進すると烏帽子岳へと続くが、慰霊碑への道も、慰霊碑経由で元の道に合流するので、心配無用である。慰霊碑は、昭和三十年代に亡くなった営林署の2名の職員の方のもので、かなり古いものだが、よく手入れがされていて、よく見なければ最近出来たものと勘違いしそうだ。烏帽子岳へ向かう巴スカイラインの両側は低い笹原となっており、烏帽子岳までは、かなり広い、緩やかな斜面が広がっている。道はよく整備されていて、アップダウンもごく僅かでハイキング気分で、遠くに広がる噴火湾や駒ヶ岳の素晴らしい眺望を楽しみながら進む。天気が良ければ、登山道の先には袴腰岳の山腹も望める。六月にはシラネアオイ、ワタスゲ、夏にはエゾヤマカンゾウ、リンドウ、アヤメなどのお花畑を楽しむことも出来る。やがて、湿地帯にさしかかり、小さな池が水をたたえているが、ロープが張られていて、植生の回復が図られている。湿原を過ぎてまもなく烏帽子岳と袴腰岳の分岐点に到着する。標識がしっかり立てられており、迷うことはない。分岐点から5分ほど緩い上り坂を登ると烏帽子岳山頂となる。山頂からは、函館山とその裾のに広がる函館市内が良く見渡せる。天気が良ければ、津軽半島を挟んで岩木山や八甲田連峰も遠くに望むことが出来る。山頂は結構広く平坦で、景色を楽しみながら一休みする。先客の登山者が三名がそれぞれ陣取って、写真を取ったり、休憩を取ったりしている。
 山頂から袴腰岳へ向かう道は、一旦分岐点まで戻る方法と、山頂から袴腰岳方向へと続く登山道を経由して向かう2種類の方法があるが、どちらもすぐに合流するので、どちらを通っても良い。2つの道の合流点からは、根曲竹を切り払った急な下り道となる。切り払った竹の切り株がかなり残っていて、滑って結構歩きにくい。目の前には、袴腰岳の斜面にうねうねと続く登山道がきれいに見渡せる。頂上は、ここから見える岩隗の先端の更に先にあり、ここからは見ることが出来ない。急な竹の斜面を下りきると、今度は樹林帯となり、深い森の中を進む。けっこう森が深く、クマが出そうで少々恐い。樹林帯を抜けると、今度は笹と灌木が入り混じった斜面をひたすら登っていくこととなるが、途中2カ所のピークがあり、最初のピークの前後には片方が結構下まで切れ落ちている岩場があり、高所恐怖症クラブ会員には結構堪え、慎重に通過する。この後にあるピークから先は、登山道が細くなり、夏の間は両側から深い藪が覆い被さり藪こぎとなるが、この季節は藪も枯れて歩きやすい。やがて、函館市内で一番標高が高い袴腰岳山頂に到着する。山頂はあまり広くなく、標識のほかには特に何もない。
山頂からは、函館市内が良く見渡せて、平坦な烏帽子岳山頂よりも「山頂」らしい。
 日がだいぶ短くなって来たので、山頂で水を補給してそのまま急いで引き返す。往路の時はさほどではないのだが、復路の舗装道路歩きは足に堪える。私と同じ思いの人が多いらしく、舗装道路の脇には、道路脇に土の上を歩いた踏み跡がはっきりと残っている。帰り道は、今が見頃の紅葉を楽しみながら、写真を撮ったり、道草をしたりの下山となった。これからまもなく横津岳にも雪が降り、長い冬ごもりと山スキーの季節となろう。
 舗装道路での下山途中、札幌から来た約30人の団体の登山客とすれ違う。皆軽装で、横津岳までちょっと「お散歩」といった趣向のようだ。きっと、大千軒への登山の後、湯ノ川で一泊し札幌へと帰る途中かと思われる。服装や、その他の身のこなしからみて、おそらく皆さん相当の「手練れ」と見えたが、いかに??


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